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説法と現代社会と倫理

真の信仰とはそうした表面的なものではなく、苦悩に直面している人々だけでなく、特に大きな悩みを抱えていない人々に対しても、正しい生命観や人生観に基づき、その人が心から納得できる幸福への道を示すもの

11月は、紅葉が美しく色づき、自然が冬の準備を始める季節です。秋の深まりを感じながら、少しずつ寒さが増していくこの時期は、心も身体も冬に向けて整えていく大切な時期でもあります。年末に向けて忙しさが増す一方で、自分自身と向き合い、今年1年を振り返る時間を作るのにもぴったりです。そんな11月の空気感の中で、本日は信仰について書いていきたいと思います。

信仰というものは、単なる趣味や道楽、あるいは一種の友好活動のようなものではありません。もし信仰がその程度のものであれば、好き嫌いで判断し、苦手な人や状況からは簡単に距離を置くことができるでしょう。しかし、真の信仰とはそうした表面的なものではなく、苦悩に直面している人々だけでなく、特に大きな悩みを抱えていない人々に対しても、正しい生命観や人生観に基づき、その人が心から納得できる幸福への道を示すものです。

正しい信仰を持つことによって、私たちは自身の内面に眠る生命力を生き生きと蘇らせ、人生そのものを力強く、充実したものへと変えることができます。信仰は、私たちの人生において根や幹の役割を果たしていると言っても過言ではありません。なぜなら、信仰が人生の根本的な力の源となるからです。ですから、信仰を単に「好き嫌い」で選ぶのは、その時々の感情によって人生の根底を揺るがすようなものであり、決して賢明な判断とは言えません。

人生というのは予測不可能なもので、私たちがいつどこでその幕を閉じるかは誰にも分かりません。それゆえに、日々を正しい信仰に基づいて生きることが、幸福な人生を歩むための最も確かな道となります。信仰は単に個人の幸福にとどまらず、家族や周囲の人々、ひいては社会全体の幸せに繋がっていくと信じます。

信仰を持つことは、あたかも正確な羅針盤を備えた船のように、幸福という目標に向かって確実に前進するための手段です。人生の中で迷ったり、道に迷う時、信仰はその方向を正しく指し示してくれるでしょう。信仰を持つことで、私たちは日々の生活をより深く、充実したものに変えることができ、最終的には真の幸福を手に入れることができるのではないでしょうか。

信仰において大切なのは、その根源にある信念や価値観が、自分自身の人生と深く繋がっているかどうかです。表面的な信仰や一時的な感情に流されるのではなく、人生を豊かにするための根幹としての信仰を大切にすることが、真の幸福への鍵となります。この信仰の重要性を理解し、日々の生活に活かすことで、私たちは真の充実感と安定感を手に入れることができるのです。

信仰を通じて自分自身の内面と向き合い、その根底にある力を引き出すことで、私たちはどんな困難な状況に直面しても、前向きに進んでいくことができるでしょう。信仰は私たちの人生にとって、最も強力な支えとなるのです。目先のご利益信仰よりももっと深い部分が大切ではなかろうかと今日の日本を見ていると思う次第であります。

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