先日、クローズアップ現代で健康長寿について取り上げられました。
染色体の末端にあるテロメアというものの長さを伸ばせば、健康長寿につながる
ということでした。
テロメアを長くするには
テロメラーゼという物質を出してあげるそうです。
で、そのテロメラーゼを出すのに有効なのが瞑想。
手をリズミカルに動かし、呪文を唱え、頭に光が差し込むことを
イメージしながら実践するヨガの瞑想です。
番組には動悸がひどく、夜中に目が覚め、息を吸うのもしんどかったのが
瞑想によって解消したという女性が登場します。
続いて、番組には予防医学?の先生が登場し、瞑想は科学的である
といった趣旨のことをおっしゃいます。
最近、「マインドフルネスや瞑想が科学で証明
されてきたから良い」という趣旨の番組が多いですね
瞑想は昔から、「集中力が付いた」、「不安感がなくなった」
「心と身体がスッキリした」というような効果があると言われてきました。
それが科学的にも明らかにされることはとても良いことだと思います。
しかし、「科学が認めたから=瞑想は安心安全」というような面が
強調され過ぎるのは少々危険に感じます。
なぜなら、瞑想はスピリチュアルの要素も含まれるからです。
以下では個人で行う瞑想とマインドフルネスの危険性について
書いていきます。
瞑想に関しては既知のこととしてここでは触れません。
マインドフルネスとはマサチューセッツ工科大学によって
生み出された、宗教性を排除した瞑想のことを言います。
しかし、それはスリランカなどの東南アジアの上座仏教
で行われている瞑想に由来し、座禅にも似ていると言われています。
瞑想を世界中に広めるために、宗教色を消した代わりに
科学色を付けたともいえそうです。
妙心寺退蔵院副住職の松山大耕氏は著書ビジネスZEN入門の中で
マインルフルネスと禅の違いについてこのように論じています。
「禅とマインドフルネスは瞑想するということは同じであっても本質が全く異なる」
ランニングは何のためにやるかと問われると、「スッキリするから」「痩せるから」であるのに対し、
禅は何のためにやるのか?と問われると、禅のために禅をすると言います。
つまり、ゲイン、利益を追求せずに物事を行うのです。
「物事を究めるためには短絡的な利益を求めるのではなく、それを実践すること
自体が目的にならなければならないのです」
先のランニングを例にとると、
「毎日走るのは痩せるため」と考えるのが西洋的なゲインの考え方
に対し、禅は走ることに意味を求めずとにかく毎日走っていると、「いつの間にか痩せていた」
という自然的な考えになります。
宗教的瞑想→瞑想のために瞑想をし、気づきやストレス解消はあくまで副産物
マインドフルネス→集中力を高めたり、幸福感を得るために行う科学的瞑想
上記を踏まえて、松山大耕氏はマインドフルネスをこのように懸念します。
「功利主義的な考え方のもとで得られる幸福感というのが長く続くものなのかどうか」
実験として脳の活性度などを測定すれば、科学的に見てその時は「幸福な状態」にあるといえるかも
しれません。
しかし、もしそれが短期的なものであり、心にしっかり根付くものでないのであれば、根本的な解決
にはなりません。人間は欲深いものです。そのときに幸福感を得られたように思えても、ある種の
達成感を得ると、今度はそれでは満足できなくなってきます。
すると、その後には、同じことをやっても同じような幸福感を得られるかどうかわからない。
マインドフルネスになろうすればするほど、自分への執着が強くなり、却って逆効果になる
ことも多々あります。
マインドフルネスを実践しながら、カウンセラーのお世話になっているなどという
笑えないケースもあるそうです。
ゲインを求めて行う瞑想というのは、こういう懸念をはらんでいると、
私には感じられます。
さて、上記より、利益、ゲインを意識して行う瞑想(マインドフルネス)には懸念がある
との見解を松山副住職はお持ちであることがわかります。
私もこの見解に関しては本当に、その通りだと思います。
ではここからは私の見解を述べましょう。
実は宗教的瞑想でも、素人がやると危険な面があります。
理由は邪気や霊が瞑想中に自分の中に入ってくることがあるからです。
指導者がいる場合は、その危険を察知して、警策を行います。
木刀でバシッと肩を叩くあれです。
集中力が切れている人間を正すための意味がありますが、
霊的な魔に取り憑かれないように行う意味もあるのです。
宗教的な瞑想ですら、そういった魔に取り憑かれるリスクがあるのに、
利益を求めて行うマインドフルネスはそれに拍車をかける危険があるのです。
そういう霊性面を全く無視して、ただ単に
「科学的に証明されつつあるから」
「マイクロソフトやグーグルがやってるから」
「体にいいから」
といった理由を前面に出して、
瞑想やマインドフルネスを実践することにはリスクを感じます。
当方には実際に、
最近はマインドフルネスや瞑想を行ってから
逆に体調不良になってしまった方が私のところに相談に
来られます。
多くの人にとっては効果がある一方で、
効果が得られない人、あるいは実践前よりひどくなる
可能性があるということは知っておいて損はないかと
思います。
おわりに
実は私もマインドフルネスを書籍を買って、実践しました。
結果、私には効果がありませんでした。
私は仕事柄、色々な瞑想法に取り組んでいますが、
合うもの、合わないものがあります。
加えて、「これは自分には危険かな」というものまであります。
「瞑想は絶対安全!!」ということは決してありません。
同様に「マインドフルネスは絶対安全」とも言えないのです。
テレビ番組の影響力はかなり大きなものがあります。
瞑想の良い面だけを前面に出して、その裏にある懸念や危険性を
一切報じないのはフェアではないと思うのです。
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