年収400万でも将来生活保護レベルの暮らしに!? 一億総老後崩壊の衝撃
本のタイトル「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」
著者 藤田 孝典
最近メディアをよく賑わしている「下流老人」について
深く知りたくなり、同メディアに頻繁に登場する著者の本を
手に取ってみた。
本の帯に「年収400万でも将来生活保護レベルの暮らしに!?」
という大げさじみたタイトルが載っていて、最初はにわかには信じられなかったが、
この本を読破した後では「有り得る話だ」と180度心境が変化した。
昔の高度経済成長下の日本では一億総中流と呼ばれた。
その名の通り、国民のほぼ全員がそれなりのステータスを持って豊かな
生活を送っていたのである。
終身雇用の正規雇用は当たり前であり、福利厚生も充実していた。
この時代ですら失業率は0ではなかったが、この場合は「働きたくない」
という社会不適合者が存在していたからである。
どころが、今の時代は非正規・派遣という雇用形態が横行し、
正社員になれたとしても、それは名ばかりであって、実態は
労働法をまったく順守していない過酷な労働を強いられた挙句、
給料はアルバイト並みかそれ以下に抑えられていることすらある。
もちろん、正社員という立場なので責任だけは伴ってしまう。
こういった労働環境の会社をブラック企業と呼ぶ。
さて、今現在進行形で下流老人と呼ばれる高齢者が現れている。
彼らは立派に働いて国の発展に貢献してきた方たちである。
彼らが下流に陥った要因は熟年離婚、病気、人生選択の失敗
などの誰しもに起こり得るものである。
収入をすべて処分してしまういわゆる浪費がたたって下流老人に
転落するというのは大方が想像するところだろう。
ところが驚くことに、それなりに貯蓄をしていても下流老人に
なってしまうこともあるのである。
高度成長に支えられてそれなりに充実した経済環境を
生きていた今のお年寄りですら下流に陥るリスクがあるのだから、
失われた20年を経ても未だに、恐らくこれからも低成長の
経済の元で且つ劣悪な雇用環境並びに福利厚生を強いられている
若年のほとんどはこの先下流老人になるのは自明である。
著者は国民の9割が下流老人という言葉は無縁ではないと
強く主張している。
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